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2009'11.17 (Tue)

「事業仕分け」

行政刷新会議で、「仕分け人」と「官僚」とのガチンコ勝負は見ていておもしろいです。

蓮舫議員の冷静というか切れのいい事業仕分けぶりが、やけに目立っています。
秋田県選出の寺田学衆議院議員も頑張っていましたね。
蓮舫議員の矢継ぎ早に繰り出す質問に、独立行政法人「国立女性教育会館」の理事長さんが切れ出す場面もありました。

事業仕分けの公開によって、独立行政法人への天下り実態や各省庁間で似たような事業が実施されていることなどが明らかになり、無駄使いが白日のものとされています。
この作業がなかったらどんなことになっていたんだろうと、全く恐ろしいです。
その意味でも、やらなきゃいけないことだったんだと思います。
しかし、あまりに短時間で次々と処理するやり方には、どこか無理があるんじゃないかなとも感じてしまいます。
ですが、今まで溜まった無駄を「バッサリ」やらないとことには何も変わらないです。

テレビの場面では、削減対象の担当者が事業の意義を説明しようとしていましたが、事業仕分けは「事業の意義」を検討する場ではありません。
本来なら、行政刷新会議前に、官僚がもっと事業の必要性を精査し、官僚自らの手で無駄を省いていかなきゃいけないんです。
いずれにしても、予算の決め方が、国民の目に見える形で提示されたことには、大きな価値があります。

私たちは長い間、選挙を通じて政治家に国政を託したつもりでいました。ところが、実際には政治家が官僚に丸投げし、逆に政治家がいいように使われていました。
政治主導を実現し、国民主権を進めるためには、事業仕分けは必要不可欠です。
そのためにも、これからも事業や予算を透明性のあるものにしていってもらいたいです。

先日、事業仕分けで「次世代スパコン「削減」」という記事がありました。
このスーパーコンピューターは、文部科学省所管の独立行政法人「理化学研究所」が技術開発を行っています。
2012年の完成予定で、稼働時には世界最速レベルの演算性能を発揮し、大気や海流など地球レベルの気候変動の予測や、地震による災害シュミレーションなどの研究、ナノテクノロジー分野での産業利用が見込まれているなど、多くのものに応用できます。
この「次世代スーパーコンピューター」の技術開発について、「必要性は認めるが、財政難も考慮すべきだ」と、予算総額を削減するように求めました。
仕分け人は、「国民目線で言うと、世界一にこだわる必要があるのか」と指摘しました。

世界一の能力を持つスーパーコンピューターの予算を削るなんて…
国民目線なんて言ってる場合じゃないです。そんなレベルじゃないです。
この判断は、世界の中の日本、将来的視野という重要な点が欠けています。

日本が世界レベルで競争できる数少ない分野を潰すのは、行き過ぎというか、間違っていると思います。
IT分野の世界では、アメリカ、イスラエルの独壇場です。
日本企業がどんなに頑張っても、多くの利益は知的財産権としてアメリカに持っていかれます。
日本は、このままでは台頭してきたインドや中国にも追い抜かれていきます。
これからは、日本はアメリカの上を目指し、世界最高の知的財産権を獲得しなければ、経済の再生なんて、ますます難しくなります。

世界をリードしていくはずの技術開発費を削るのには、私は反対です。
3兆円削減という目標だけで、数字合わせをしているだけでは困まります。

マニフェスト実現のための事業仕分けなら、マニフェスト内容が本当に必要なのかもう一度検証し、必要無ければ「バッサリ」切り捨て、変更する勇気を国民に示すことも大事だと思います。

必要もないもののために、必要なものの予算が削られるなんて間違った判断がないように、慎重な仕分けをお願いします。
将来に必要な事業の判断を間違えると大変なことになります。


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